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2026年7月

健康・検査のこと

健診で「要再検査」と言われたら|引っかかっても、病気とは限りません

健診の結果が返ってきて、「要再検査」の文字を見つけたとき。

多くの方が、いちばん悪い想像をします。何か、見つかったんだ。病気かもしれない。次の検査までの数週間、ずっと胸に小石を抱えて過ごす。その気持ちは、患者さんとしてよく分かります。

だから、先にお伝えしておきたいことがあります。

健診の判定——要再検査は「もう一度確かめましょう」の合図で、病気の宣告ではない
先に、結論から。
「要再検査」は、病気の宣告ではありません。「もう一度、確かめましょう」という合図です。
健診は、見落としを防ぐために、あえて網を細かくしてあります。だから、健康な人でも引っかかることがあります。
大事なのは、必要以上に怖がらないこと。そして、書かれた指示のとおりに、次の検査を受けることです。

判定の言葉は、施設によって違います

まず、少し意外に思われるかもしれない話から。

健診の判定に使われる言葉は、施設によって異なることがあります。さらに、同じ「B」「C」という記号でも、その中身(定義)が施設によって違うこともあります。

近年、標準的な区分は A から E に整理され、以前は分かれていた区分がまとめられるといった見直しもありました。ですから、去年と今年で書き方が変わっていたり、別の健診機関では違う言葉だったりしても、おかしいことではありません。まずはこのことを、頭の隅に置いてください。

そのうえで、よく使われる区分を、一例として並べてみます。

判定 意味(一例です)
異常なし異常と見える所見は、見つかりませんでした
軽度の異常所見はありますが、経過を見ていけばよいもの
要経過観察1年ほどあけて、同じ検査でもう一度確認しましょう
要再検査1〜3か月以内に、同じ検査をもう一度受けて確認しましょう
要精密検査別の検査を追加して、はっきりさせる必要があります
要治療治療を受ける必要があります
治療中いまの治療を続けましょう

繰り返しますが、これはあくまで一例です。お手元の結果表に説明が書かれていれば、そちらを優先してください。

「要再検査」と「要精密検査」は、意味が違います

ここは、混同されやすいところなので、はっきり分けておきます。

要再検査は、「同じ検査を、もう一度」という意味です。血液検査でひとつの値が基準から外れていたけれど、たまたまかもしれない。体調や食事、前日の過ごし方で動く項目もあります。だから、少し期間をあけて、同じ検査でもう一度確かめましょう、ということです。

要精密検査は、「別の検査を足して、確かめる」という意味です。健診でできる検査だけでは判断しきれないので、次の段階の検査に進みましょう、ということになります。

言葉が似ているので同じように感じますが、次にすることが違います。だから、結果表に書かれた指示を、そのまま受け取ってください。

なぜ、健康なのに引っかかるのか

ここが、いちばんお伝えしたいところです。

健診は、スクリーニングが目的です。たくさんの人の中から、基準となる状態から外れた方を見つけ出す。そのための、いわば「網」です。

そして、この網には、はっきりした事情があります。健診は検査項目が決まっていて、その場で自由に追加はできません。だからこそ、見落としを防ぐことを優先して、「異常なし」とする幅を狭く、「異常あり」とする幅を広くとってあります

つまり、少しでも気になる人には、あえて引っかかってもらう作りなのです。網を細かくすれば、本当に必要な人を見落としにくくなります。そのかわり、健康な人まで一緒に引っかかることが、どうしても増えます。

💡 検査技師の豆知識:判定区分は「絶対」ではありません
判定区分は、判定を決めるときに使う目安のひとつであって、それだけで白黒が決まる絶対的なものではありません。健診の判定は、ひとつの数値だけでなく、いくつもの情報を合わせて決められます。だから、まったく同じ検査結果でも、判定が違ってくることがあります。「去年はCだったのに今年はB」も、じゅうぶんに起こりえます。

同じ数値でも、判定が変わることがある

豆知識の続きです。ここは、意外と知られていません。

健診の判定は、複数の情報から引き出されます。ひとつの数値が同じでも、他の項目との組み合わせや、その人の状況によって、最終的な判定は変わりうるのです。

このことは、まだ十分に知られていません。「同じ数字なのに、なぜ判定が違うの」と戸惑う方がいるのは、そのためです。用語の定義や、判定のもとになる値の考え方は、これからもっと分かりやすく整理されていくべきもの、と私自身は感じています。

だから、結果表の記号だけで一喜一憂しないでください。大事なのは記号そのものより、「次に何をすればいいか」です。基準値そのものの成り立ちについては、基準値は誰が決めているのかにも書きました。

それでも、指示は守ってほしい

ここまで「怖がらないで」とお伝えしてきましたが、ひとつだけ、逆のこともお願いさせてください。

「どうせ健康なんだから」と、再検査を放っておかないこと。

網を細かくしてあるからこそ、その中には、本当に早く見つけるべき人が混じっています。要再検査や要精密検査は、その人を取りこぼさないための、大事なもう一歩です。ほとんどの場合は「念のための確認」で終わりますが、その「ほとんど」に自分が入っているかどうかは、受けてみないと分かりません。

健診は、病気の早期発見や予防、そして自分の体に関心を持つきっかけとして、役に立つものです。「引っかかった」を、責められたように感じないでください。それは、体からの、少し早めのお知らせです。

再検査の前日にできること(お酒や食事のことなど)は、健診の前日にやらないことにまとめてあります。よかったら、次の検査の前にのぞいてみてください。

結果表の紙を、こわいものだと思わないで。あれは、あなたの体からの手紙です。落ち着いて、書いてあるとおりに、次の一歩を進めてもらえたらと思います。

※この記事は一般的な情報をまとめたものです。判定の意味や、次に受ける検査については、健診機関や医療機関でご確認ください。

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