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おひとりさま検査技師の、言えない本音
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2026年5月

健康・検査のこと

アレルギー検査MAST33を受けたら、スギ花粉がカンストしていた|検査技師が自分の結果を読み解く

※当記事にはプロモーションが含まれています。

スギ花粉とティッシュ、花粉症の女性のイラスト

検査する側の私が、検査される側になった

病院で長年、検査をする側として働いてきました。採血された血液がどんな機械を通って、どんな数字になって返ってくるか——それを毎日、仕事として見ています。

その私が今回、自分のアレルギー検査(MAST33)を受けてみました。

そして、結果用紙を受け取って、思わず二度見しました。

スギ、クラス6。測定値200。

クラス6というのは、この検査の最大値です。ゲームでいう、カンスト。「これ以上は測れません」という数字が、自分の名前の横にしれっと印字されていました。毎年春がつらいのは、もう何十年も知っています。でも、まさか振り切れていたとは。我ながら、ちょっと笑ってしまいました。

MAST33の結果用紙

そもそもMAST33って、どんな検査?

一度の採血で、33種類のアレルゲン(アレルギーの原因になる物質)に対する「IgE抗体」をまとめて調べられる検査です。スギやダニといった吸い込む系から、卵・牛乳・小麦などの食べ物系まで、幅広くカバーしています。

結果はクラス0〜6で出てきて、ざっくり言うとクラス2以上が「陽性」とされます。数字が大きいほど、その物質に対するIgE抗体をたくさん持っている、ということになります。

一回の採血でこれだけ一気にわかるのは、便利な検査です。便利なんですが——便利だからこそ、注意してほしいこともある。それは後でたっぷり書きます(ここが今日いちばん言いたいところ)。

私の結果:陽性だったもの

さて、私の「陽性」の顔ぶれです。

項目 クラス ひとこと
スギ6カンスト。春の不調の犯人は、あなたでしたか
コナヒョウヒダニ4強陽性。布団とカーペットに住む、あの子
ハウスダスト3正体はほぼダニ。上とセットの定番
オオアワガエリ2イネ科花粉。5〜7月、土手や河川敷に多い
カモガヤ2同じくイネ科。ハイキングの季節と丸かぶり
ミルク2※後述します。ここ大事
オボムコイド(卵白の成分)2※同上
卵白2※同上
カンジダ2皮膚などにいる常在菌。よくある所見

スギ・ダニ・イネ科の組み合わせは、日本人のアレルギー性鼻炎の、いわば王道パターン。我ながら、教科書に載っていそうな結果です。

意外だったのは、ヒノキがクラス1(ほぼ陰性)だったこと。スギとヒノキはセットで陽性になる人が多いんですが、私の体はスギだけをきっちり敵認定しているようです。……敵を選ぶセンスよ。

ちなみに動物では、ネコ皮屑がクラス1(ごく弱い反応)で、イヌは陰性でした。クラス1は「陽性」と言い切るには弱い、いわば境界あたり。こういう微妙な子もいるんだなあと、自分の用紙で改めて実感しました。

「卵と牛乳が陽性」でも、慌てて除去しないで

ここからが、検査技師として、今日いちばん伝えたいところです。

私の結果では、ミルクと卵白がクラス2の「陽性」でした。でも私は、ヨーグルトもソフトクリームも食べるし、卵焼きを愛しているし、何の症状もなく元気に暮らしています。

「検査で陽性」と「食物アレルギーがある」は、イコールではありません。

検査でわかるのは「IgE抗体を持っている」という事実(むずかしい言葉で“感作”といいます)だけ。実際にアレルギー症状が出るかどうかは、また別の話なんです。とくに食べ物では、陽性でも問題なく食べられる人が、本当にたくさんいます。

だから、検査結果の数字だけを見て、自己判断で食事から卵や牛乳を抜いてしまう——これは、おすすめできません。食べて症状がないのなら、基本的にはそのままで大丈夫とされています。逆に、食べると症状が出るのに検査は陰性、ということだってあるんです。

アレルギーの診断は、数値と症状を合わせて、お医者さんが判断するもの。気になる症状がある方は、どうか自己判断せず、医療機関で相談してくださいね。

検査の数字は、便利だけど、万能ではない。毎日その数字を扱っている人間だからこそ、これは声を大にして言いたいのです。

クラス6のスギと、これからどう付き合うか

とはいえ、スギのクラス6は、放っておくにはなかなか手強い相手です。私が考えている(というか、もうやっている)対策は、このあたり。

まずはダニ・ハウスダスト対策。これは寝具から。 我が家で実際にやっているのは、この3つです。

  • 防ダニシーツ … ダニを布団の中に入れない・出さないための、いちばんの基本
  • 布団専用の掃除機(布団クリーナー) … 寝具のダニやフンを吸い取る用。週末のルーティンです
  • ロボット掃除機(ルンバ) … 床のホコリは毎日ルンバにおまかせ。サボりがちな私には本当にありがたい相棒
布団クリーナーとルンバ

我が家の相棒たち。布団クリーナー(赤)と、年季の入ったルンバ。
どちらも古い型ですが、現役でがんばってくれています

クラス4のダニは一年中そこにいるので、実は花粉より、生活改善の効果が出やすい相手なんです。特別なことはしていません。でも、こうして道具に任せられるところは任せて、コツコツ続けると、ちゃんと体が楽になります。

🛏️ 我が家で使っているダニ対策グッズ(私が使っているのは古い型なので、楽天では近い現行モデルを載せておきますね)

イネ科花粉(5〜7月)は、ハイキング好きには、ちょっと切ない結果でした。 カモガヤもオオアワガエリも、山道や土手にごくふつうに生えている草。シーズン中の山歩きは、マスクと服装でしっかり防御です。

そしてスギ。 これには「舌下免疫療法」という選択肢もあります。毎日ほんの少量のアレルゲンを舌の下に入れて、体を少しずつ慣らしていく治療です。スギとダニはこの治療の対象になっていて、数年がかりですが、根本的な改善が期待できるのだそう。私の年齢から始めるべきかどうかは……正直、まだ迷っています。興味のある方は、アレルギー科のある医療機関で相談してみてください。

数字になって、ちょっとだけ、すっきりした

毎年、春になると不調になる。長年「そういうものだ」と思って、ただ耐えてきました。

それが今回、「クラス6」という、はっきりした数字になった。原因が名前と数字を持つと、不思議と、気持ちが少し軽くなるものですね。「私が弱いんじゃなくて、スギが強すぎるんだ」と、堂々と言えるようになったというか。

検査をする側として、これまで何万件と数字を見てきました。でも、自分の数字を見るのは、やっぱり別物でした。一枚の結果用紙の向こうには、こういう「二度見」や「妙な納得」があるんだなあと、今さらながら、しみじみ思った次第です。

舌下免疫療法、始めるかどうかは……来年の春のつらさ次第かな。たぶんまた「今年こそ考えよう」と思いながら、ティッシュの箱を抱えている気がします。毎年それなんですけどね。

検査技師でも、自分の体は思いどおりにならない。ぎっくり腰でやられた話のときも、つくづくそう思いました。数字を読むのは得意でも、体は別腹、ということで。

健康・検査の話は、ほかにも書いています。よかったら コレステロールの話血糖値の話 ものぞいてみてください。


※本記事は、個人の検査結果と一般的な情報の紹介であり、診断や治療方針を示すものではありません。アレルギーの診断・治療については、必ず医師にご相談ください。

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