2026年6月
旅行【登山のクマ対策】出会わない工夫と、もし出会ったら——中高年の山そなえメモ
山に登るようになって、真剣に考えるようになったことがあります。それは、クマのこと。
先日、クマについての資料を目にする機会があって、「これは、登る前にちゃんと知っておかなきゃ」と思いました。そこで、登山者として知っておきたいことを、自分のための備えメモとしてまとめてみます。
(※専門の資料を参考にした一般的なまとめです。お住まいや登る山の最新の出没情報は、必ず自治体や山小屋などでご確認ください。)
まずは「出会わない」工夫を
クマ対策の基本は、そもそも出会わないこと。クマも、ふつうは人を避けたいと思っています。だから、「ここに人間がいますよ」と早めに伝えてあげるのが大事です。
- 音を出して歩く … クマ鈴、ラジオ、ときどき声を出す。沢の音や風の強い日は、自分の音が消えがちなので、とくに意識して
- 朝早く・夕方は要注意 … クマが活発に動く時間帯。薄暗いときの行動は控えめに
- 食べ物・ゴミは必ず持ち帰る … 食べ物のにおいは、クマを引き寄せます。「人の食べ物の味」を覚えさせないことが、クマのためにもなります
- できれば複数人で … 話し声がする方が、クマも近づきにくい
- 出没情報をチェック … 登る前に、その山の最新情報を必ず確認
- クマよけスプレー … 持っていると、いざというときの備えになります(使い方は事前に確認を)
もし、出会ってしまったら(距離別の対応)
それでも出会ってしまったとき。距離によって、とるべき行動が変わります。あわてないために、図にしてみました。
落ち着いて。刺激せず、そのまま静かに離れます(相手も気づいていれば、たいてい去っていきます)。
背中を見せず、クマの様子を見ながら、ゆっくり後ずさりして離れます。走らない、大声を出さない。
かわいくても、絶対に近づかない。すぐ近くに母グマがいます。母グマは子を守るため、とても攻撃的に。ただちに、その場を離れて。
クマは時速40kmほどで走れます。人は逃げ切れません。走ると、追う本能を刺激してしまうことも。背を向けず、ゆっくり距離をとって。
うつ伏せになり、両手を首の後ろで組んで、顔・首・お腹を守ります。リュックが背中を守ってくれることもあります。クマよけスプレーがあれば、向かってきたときに有効です。
いちばん大事なのは、①②の段階で、静かに離れること。⑤まで行かないように、早め早めの行動を。
クマって、どんな動物?
本州の山にいるのは、おもにツキノワグマ。全身が黒くて、大人になると大型犬より大きくなります。胸に「月の輪」模様があるのが名前の由来ですが、模様のない子もいます。
意外なのが、足が速くて、木登りも泳ぎも得意なこと。「逃げれば大丈夫」が通用しない相手だと、知っておくだけでも備えになります。基本は植物やアリ・ハチなどを食べる動物で、好んで人を襲うわけではありません。だからこそ、おたがいに出会わないのがいちばんなんですね。
クマだけじゃない——遭難しないための備え
山の危険は、クマだけではありません。むしろ多いのは、道に迷ったり、体力切れで動けなくなったりといったこと。とくに中高年は、ここを慎重に。
- 自分の体力に合った山を選ぶ … 憧れの高い山より、まずは低山から。背伸びしないのが、長く楽しむコツ
- 無理せず、引き返す勇気 … 「ここまで」と決めて引き返せるのは、弱さではなく山の実力です(私も火打山で山頂を諦めたことがあります)
- 計画を立てて、登山届を出す … どの山に、いつ、どのルートで。家族や登山ポストに知らせておくと、もしものとき助けになります
- 早出・早着 … 日没前に下りる。暗くなってからの行動が、いちばん危ない
- 天気を必ず確認 … 荒れそうな日は、思い切ってやめる
- 地図アプリ・水・行動食・雨具 … 「まだ大丈夫」が遭難のもと。余裕をもった装備で
「慎重すぎるくらいでちょうどいい」。中高年のおひとりさま登山は、これくらいの気持ちが安心です。
山だけは、ひとりで登りません
ふだんは「おひとりさま」を楽しんでいる私ですが、山にだけは、ひとりで入りません。必ず、気心の知れた友人と一緒です。
理由のひとつが、まさにクマ。そして、急な体調の変化も。「何かあっても、ひとりではどうにもならない」——その不安は、50代になって、確実に大きくなりました。ひとりで山に入る勇気は、正直、まだ持てません(このあたりは 火打山の記事 にも書きました)。
それに、複数人で歩くことは、安全面でも大きな意味があります。話し声がして、音が増えるぶん、クマも近づきにくい。だからこそ、仲間と声をかけ合い、鈴を鳴らし、出没情報を調べ、無理をしない。当たり前のことを、淡々と。
山は、本当に気持ちのいい場所です。クマも、もともとそこに暮らす住人。おたがいに距離を保って、安全に楽しみたいなと思います。あなたの山行が、安全で心地よいものになりますように。
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