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おひとりさま検査技師の、言えない本音
― 50代一人暮らし、仕事も人生も愚痴らせて ―
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2025年4月

旅行

高田城の桜と春日山城跡をめぐる|火打山に登るきっかけになった、おひとりさまの上越旅

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その山に登ろうと思ったきっかけは、じつは一枚のお城からの眺めでした。

2025年の春、私はひとりで新潟の上越へ。お目当ては高田城の桜です。このときはまだ、自分が山に登るなんて、これっぽっちも思っていませんでした。

高田城の三重櫓と桜

高田城の桜、賑やかすぎて——おひとりさまには、ちょっと寂しい

上越妙高の駅から電車で高田へ。駅からはちょっと歩きます。

着いてみると、さすがは桜の名所。三重櫓に桜が映えて、それはもう見事でした。でも——公園は、家族連れやグループでとっても賑やか。出店が並んで、みんな楽しそう。

その輪の中に、ひとり。

きれいなんだけど、賑やかなぶんだけ、なんだか急に寂しくなってしまって。「うん、桜は見られたし」と自分に言い聞かせて、早々に退散しました。おひとりさま歴は長いのに、こういう“みんなで楽しむ場所”は、いまだに少し苦手です。

1時間並んだ人気店「ほぐれ肉 けいしゅう」で、肉と格闘する

気を取り直して、お昼ごはん。高田駅の近くにある「ほぐれ肉 けいしゅう」へ。テレビで見て、ずっと気になっていた、焼肉店系列の人気店です。

けいしゅうののれん

人気店だけあって、並ぶこと1時間。やっと入れたと思ったら、席数はそんなに多くなくて、ひとりの私はカウンターへ。目の前は、店員さん。向かい合う形になって……正直、ちょっと食べづらい(笑)。

出てきたのは、中が赤い、肉肉しいお料理。

けいしゅうの肉料理とごはん

名物は、その名のとおり“ほぐれる”ようなお肉。肉感が強くて、レア感がウリなんだそうです。わさび、ポン酢、特製ソースと、味を変えながら食べられるのもうれしい工夫でした。

ただ正直に言うと——普段あまりお肉を食べない私には、中が赤くて肉肉しいのが、ちょっと手強かった(笑)。せっかく1時間並んだのに、我ながら申し訳ない感想です。お肉好きの方なら、きっとたまらないはず。

でも、ご飯とお味噌汁が、これがまた美味しい。さすが新潟、お米が主役です。しかもおかわり無料で、てんこ盛り。お肉に苦戦した私は、結局このご飯とお味噌汁で、しっかりお腹を満たしたのでした。

ちなみに、お会計は1,800円・現金のみ。行かれる方は、現金を忘れずに。

駅前のアパホテルと、登山客の多さ

この日泊まったのは、上越妙高駅のすぐ目の前にあるアパホテル。駅前で、とにかく便利でした。

そして、気づいたんです。まわりに、登山客らしき人がやけに多い。大きなザックを背負った人たちが、朝早くから動いている。あとで知ったのですが、上越妙高駅は、妙高や火打山へ登る人たちの玄関口なんだそうです。

このときは「へえ、山に登る人ってこんなにいるんだ」と、まだ完全に他人事でした。

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春日山城跡——「階段の先に、まだ登りがある」

翌日は、上杉謙信のお城・春日山城跡へ。

史蹟 春日山城阯の石碑

まず出迎えてくれるのが、春日山神社へと続く、長い長い階段。「うわ、これを登るのか……」と気合を入れて、ひと段ひと段。

春日山神社へ続く長い階段

やっとの思いで階段を登りきって、神社にお参り。「ふう、着いた」と思ったのも束の間——その先に、さらに登りが続いていたんです。

春日山神社の社殿

これが、城跡(つまり山の上)まで、けっこうな登り。ちょっとした登山くらいありました。お城だと思ってなめていた私は、意外なきつさに息を切らしながら、「謙信公、こんな高いところに住んでいたのか」と感心するやら、ぐったりするやら。

でも——登りきった先で見た景色は、最高でした。

春日山城跡の山頂から見た上越の眺め

頬に当たる風と、ひらけた眺め。きつかったぶん、ごほうびのような景色でした。このときの「登りきった達成感」が、いま思えば、ちょっとした伏線だったのかもしれません。

そして、きっかけ——高田城から見た、あの山

話は前日にさかのぼります。

じつは高田城の三重櫓に登ったとき、遠くの山々がよく見えたんです。展望台には、山の名前と方角の案内板がありました。

高田城から見た雪をかぶった妙高山

どっしりと雪をかぶった妙高山(2,454m)。そして、火打山(2,462m)。さらに、ぽっこりかわいい米山(992.5m)

高田城から見た米山と桜のお堀

その山並みを眺めながら、ふと思ったんです。

「さすがに、妙高山はムリだなあ。……でも、火打山だったら、私でも登れるかな?」

じつは——これはあとで知って驚いたのですが、火打山(2,462m)のほうが、妙高山(2,454m)より、ほんの少しだけ高いんです。数字の上では、火打山に軍配。それなのに、ゴツゴツと険しく見える妙高山にくらべて、火打山はどこかなだらかで、おだやかに見えた。きっとその見た目に、「こっちなら登れそう」と背中を押されたんだと思います。山の高さと、登りやすさは、また別物なんですけどね。

ほんの軽い気持ちでした。登山なんて一度もしたことがないのに。でも、桜越しに見たあの白い山が、なぜか頭から離れなくて。その“軽い気持ち”が、まさか本当に山に登ることになるとは——このときの私は、まだ知りません。

そして後日、私は本当に火打山に挑むことになります。その顛末は、こちらにて。

⛰️ つづきの話:火打山に登ってきた|50代登山初心者が、山頂を諦めた日のこと

この旅でかかったお金

項目 金額
けいしゅう(ほぐれ肉ランチ・現金のみ)1,800円
アパホテル上越妙高(クーポン利用)8,000円
合計(交通費別)約9,800円

交通費は別で、ほかにもこまごました出費はありましたが、桜とお城と、思いがけない山の眺めまで楽しめて。おひとりさまの一泊旅としては、まずまずの春でした。

おわりに

賑やかな桜に少し寂しくなって、並んだお店のお肉に苦戦して、お城だと思ったら登山だった春日山城跡。我ながら、ちぐはぐな旅でした。

でも、ひとりの旅って、こういう“予定どおりにいかない感じ”も含めて、ぜんぶ自分のペースで味わえるのがいいところ。そして何より、この旅がなかったら、私はきっと山になんて登っていません。

桜の向こうに見えた一つの山が、次の一歩を連れてくる。旅って、そういうところがあるなあと思います。

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