2026年6月
旅行なぜ、50代の私が台湾にハマったのか──検査技師の体が選んだ、ちょうどいい旅先
「どうして、そんなに台湾ばかり?」と聞かれることがあります。
考えてみると、これはただの“好き”だけじゃないんです。50代になった私の体が、台湾を選んでいる——検査技師として働いてきたからこそ、そう思うのです。今日は、その理由を正直に書いてみます。
▲ 近くて、ちょうどいい。体にも心にも、やさしい旅先です。
若い頃は平気だった、長時間フライト
お金の都合もあって、飛行機はやっぱりエコノミー。若い頃は、13〜17時間の長距離フライトも、なんとか乗り切れました。狭い座席で身動きできなくても、若さで乗り越えていたのですね。
でも今は、正直しんどい。狭い席に長く座りっぱなしで、席の都合でトイレにも立ちにくい……。そうなると、検査技師としては、どうしてもあることが気になってきます。
検査技師が気にする「血栓」の話
長時間、足を動かさずにいると、まれに足の血管に血のかたまり(血栓)ができることがあります。いわゆる「エコノミークラス症候群」です。
しかも——年齢を重ねると、「心房細動」という不整脈を持つ人が、意外と増えてくるんです。心電図の検査をしていると、「あ、この方も」と感じることが、本当に少なくありません。心房細動があると、血のかたまりができやすくなる。だから血栓の心配は、年齢とともに、静かについて回るのです。
その点、台湾はフライトが3〜4時間ほど。この“ちょうどよさ”が、今の私の体には、本当にありがたい。長く座りっぱなしにならずにすむ、というだけで、安心感がちがいます。
エコノミークラス症候群は、長く動かないことに加えて「脱水で血液が濃くなる」と起きやすくなります。一般に4時間を超える移動でリスクが少し上がるとされ、機内は乾燥していて、さらに脱水しやすい環境。台湾までの3〜4時間は、その点でも体にやさしい長さなんです。(だから機内では、お酒よりお水を、です)
時差が、ほとんどない
これも、地味だけれど大きな理由です。台湾と日本の時差は、わずか1時間。
若い頃は時差なんて気にもしませんでしたが、年齢を重ねると、これがこたえます。体がなかなか馴染まなくて、せっかくの旅先で、最初の数日が時差ボケでぼんやり……なんてもったいない。台湾なら、その心配がほとんどない。着いたその日から、元気に動けるのです。
食事と衛生は、年齢を重ねるほど慎重に
食あたりは、若い頃なら一晩で回復しても、年齢を重ねると、一つ間違えば命取りになりかねません。ここは検査技師として、いつも本気で気をつけています。
台湾も、屋台によっては心配なところがないわけではありません。でも全体としては、そんなに神経質にならなくても大丈夫な場面が多い。安心して、おいしいものを楽しめる。これも、台湾を選ぶ理由のひとつです。
食中毒を起こす菌の多くは、20〜50℃くらいでぐんぐん増えます。とくにヒトの体温あたり(36℃前後)や、夏の気温が大好物。だから「常温で長く置かれたもの」は、暑い季節ほど用心です。冷たいものは冷たいうちに、温かいものは温かいうちに——これが、いちばんの予防になります。
安心が、心の余裕になる
旅の楽しさは、体だけでなく、心の余裕でも決まると思うのです。
- 治安が比較的いい。私はこれまで、お釣りのごまかしやぼったくりに遭ったことがありません(もちろん、最低限の警戒は必要ですが)。だから精神的にラク
- 常備薬は必須ですが、ちょっとした薬は現地でも手に入るし、万が一のときに日本語対応の病院もある。これは大きな安心
- 自分の“平常値”(ふだんの血圧や健診の数値)を把握しておけば、いざというときも落ち着いていられる
「何かあっても大丈夫」と思えるから、目の前の景色や料理を、心から味わえる。
いちばんは、人が優しいこと
そして——なんといっても、台湾は人が優しい。道に迷っていれば声をかけてくれる。片言でも、笑顔で応えてくれる。
その“やさしさ”は、実は空港に着いた瞬間から始まります。桃園空港の壁に、こんなにこにこ笑顔のうさぎが飾ってあって。「幸運星星(幸運の星)」という作品なのですが、見るたびに、ふっと頬がゆるむのです。
▲ 桃園空港の壁の、笑ううさぎたち。着いたとたんに、ほっこり迎えてくれます。
その優しさに触れるたびに、心がほどけて、いい思い出になる。体にやさしくて、心にもやさしい。だから台湾は、私にとって二重丸の旅先なのです。
歳を重ねると、旅先選びも変わってきます。無理せず、でも、ちゃんと楽しむ。そんな“ちょうどいい”を、台湾は教えてくれました。
体の準備のことは、こちらにまとめました → 旅行前に、検査技師がこっそりやる「体の準備」
持ち物・お金・移動の準備はこちら → 【保存版】おひとりさま台湾ひとり旅 準備ガイド