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おひとりさま検査技師のひとりごと
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2026年6月

家計・節約のこと

抵当権抹消登記、自分でやれば数千円。法務局に2回で終わった話

住宅ローン、やっと完済しました。

長かったです。最後の引き落としが終わったときは、ガッツポーズというより「ふう……」と肩の力が抜けた感じ。おひとりさまで、誰かと分け合うこともなく、自分の力でここまで返しきった。地味だけど、人生のなかでもかなり大きな節目だったと思います。

(これは、2025年の春の話です。当時はまだ、住宅ローンの金利がこんなに上がるなんて、思ってもいませんでした。いま振り返ると、金利が低いうちに返しきれて、結果的には、ほっとしています。)

でも、完済して終わり……ではありませんでした。

ローンを返し終えると、家に設定されている「抵当権」を、自分で消す手続きをしないといけない。これを抵当権抹消登記(ていとうけんまっしょうとうき)といいます。放っておいても自動では消えてくれません。

これ、司法書士さんにお願いすると報酬の相場が2〜3万円。…その金額を聞いて、私は手が止まりました。

「これ、自分でできないのかな?」

結論から言うと、できました。法務局に2回足を運んで、実費は数千円。ただし、準備していってもなかなか一筋縄ではいかない場面もあったので、その正直なところも含めて記録しておきます。

法務局の窓口で、コワモテの相談員さんに書類を見てもらう様子。印鑑が2個と、鍵のついた家のイラスト

▲ 準備していっても、内心ドキドキ。それでも、ちゃんと終わりました。

銀行からの電話に、一つ返事で「自分でやります」

完済すると、銀行から抵当権抹消に必要な書類一式が送られてきます。私はそれが届くのを待っている間に、抵当権抹消について調べていました。

そんなある日、銀行の方から電話があって、「抹消の手続き、どうされますか?」と聞かれたんです。司法書士を紹介しましょうか、というニュアンスでした。

私は、ほぼ一つ返事で「自分でやります」と答えました。

迷いなく即答できたのは、待っている間にちゃんと下調べをしておいたから。準備していなかったら、たぶん「じゃあお願いします……」と流されていたと思います。先に調べておく——たったこれだけのことが、2〜3万円の分かれ道になりました。

そもそも抵当権抹消登記って?

ざっくり言うと、こういうことです。

住宅ローンを借りるとき、銀行は「もし返せなくなったら、この家を担保にしますよ」という権利を家に設定します。これが抵当権。登記簿(家の戸籍みたいなもの)に、ちゃんと「○○銀行の抵当権」と記録されています。

ローンを完済すれば、その担保はもう必要ありません。でも、登記簿の記録は自動的には消えません。自分で「もう消してください」と法務局に申請して、はじめて消えます。

放置しておくと、地味に困ることがあるそうで。

  • 家を売ったり、相続のときに「あれ、まだ借金あるの?」と話がややこしくなる
  • 何年も経つと、銀行からもらった書類を紛失しがち
  • 銀行が合併・名前変更していると、追加書類が必要で手続きが面倒になる

つまり、書類が手元にある今のうちにやってしまうのが一番ラク。私はこれを知って、重い腰を上げました。

※法律上「いつまでに」という期限はありません。ただ、時間が経つほど手続きが複雑になりやすいので、完済して書類が届いたら早めがおすすめ、という話です。

必要だった書類

封筒を開けたときは「なんだか難しそうな紙がいっぱい…」と一瞬ひるみましたが、実際に使うのは数枚でした。

銀行から届いたもの:

  • 抵当権解除証書(または弁済証書)… ローンを返し終えたことの証明
  • 登記識別情報通知(または登記済証)… 抵当権設定のときの権利の書類
  • 委任状 … 「私(家の持ち主)が代理で抹消を申請します」という書類
  • 会社法人等番号がわかるもの … 銀行側の情報

自分で用意したもの:

  • 抵当権抹消登記申請書 … これは自分で作ります。法務局のホームページにひな形と記入例があります
  • 登記事項証明書(任意)… 家の正確な情報(所在・地番・家屋番号など)を申請書に書き写すために、念のため取得しておくと安心でした

【これ大事】印鑑は2個持っていったほうがいい

これは私の時だけかもしれないのですが、声を大にして言いたいこと。

印鑑は、別のものを2個持っていったほうがいいです

というのも、窓口で「別の印鑑、ないですか?」と言われた場面があったんです。書類の訂正かなにかで、違う印が必要になった……はっきりした理由は今となってはうろ覚えなのですが、とにかく「別の印鑑」を求められました。

私はたまたまカバンに2個入れていたので事なきを得ましたが、もし1個しか持っていなかったら、その日は手続きが止まって出直しだったかもしれません。法務局は平日しか開いていないので、出直しはかなり痛い。

念のため、実印(または届出印)+もうひとつ別の印鑑を持っていくと安心だと思います。

申請書は法務局の書式で作れた

一番ハードルが高そうに見えた「申請書づくり」。これは思ったより大丈夫でした。

法務局のホームページに、抵当権抹消登記申請書のひな形と記入例がそのまま載っています。これを使って、銀行の書類と登記事項証明書の内容を見ながら当てはめていくだけ。

書くときに気をつけたのは、

  • 家の所在・地番・家屋番号を、登記簿の表記どおりに正確に写すこと(普段の住所表記とは少し違うことがあります)
  • 一戸建ては「土地」と「建物」で別々に1個ずつカウントすること

自信がないところは、次に書く「相談窓口」で直してもらえたので、完璧じゃなくても持っていって大丈夫でした。

実際の流れ:法務局に2回、最後の難関はコワモテのおじさま

ここからが本番。私の場合、法務局への訪問は2回で終わりました。

1回目:相談しながら確認・提出

まず、家のある地域を管轄する法務局へ。ここ、大事なポイントで、申請するのは「自分が住んでいる場所」ではなく、家がある場所を管轄する法務局です。

事前に調べていたとき、ネットの情報で「窓口の対応は厳しいことがある」と見ていました。…で、実際。私の最後の難関は、コワモテのおじさまの相談員でした。

これがもう、準備していったつもりでも、けっこう細かく直されるんです。書類の訂正は二重線を引いて、そこに印鑑——その押し方ひとつとっても、自己流でやっていたのと違っていたり。「ここ、こうじゃない」と次々に指摘が入って、内心ヒヤヒヤでした。

でも、数は少ないながらも、直し方をちゃんと教えてくださったんです。突き放すだけじゃなくて。だから、その場でなんとか形にすることができました。コワモテだけど、根は親切だったのかもしれません(たぶん)。

ちなみに相談員さんは、書類を代わりに作ってくれるわけではないし、法律的な判断まではしてくれません。あくまで「書き方の案内」まで。だから、自分なりに作ってから持っていくと、限られた相談時間を有効に使えました。

提出のとき、おじさまから言われたのが、なんとも不安になる一言。

落ちがなければ、認められます

…落ちがなければ。その言い回し、突き放されたみたいで、帰り道までずっとドキドキしていました。

2回目:完了書類を受け取りに

提出から数週間後、無事に手続きが完了して、登記完了証を受け取りに、もう一度法務局へ。

そして、自分の手で抵当権が外れた登記簿を実際に見ることができたとき——登記簿の「○○銀行の抵当権」の文字に下線が引かれて(=抹消された印)いるのを見たときは、なんだか達観したような、不思議な気持ちになりました。長い肩の荷が、ようやく完全に下りた瞬間でした。

郵送やオンラインでの申請もできるそうです。オンラインはマイナンバーカードと電子証明の環境が必要なので、私は窓口に直接行く方法を選びました。コワモテのおじさまには鍛えられましたが、対面で相談しながらのほうが、結果的に確実だったと思います。

かかった費用

気になるお金の話。

  • 登録免許税:不動産1個につき1,000円。私は土地と建物で2個なので2,000円
  • 登記事項証明書(確認用・任意):1通あたり数百円
  • 交通費と、ちょっとの手間(あとメンタル)

ぜんぶ合わせても数千円で収まりました。

司法書士さんにお願いしていたら、これに報酬として1〜2万円ほど(私が聞いた見積もりは2〜3万円)が上乗せされていたはず。その差額で、ちょっといいお蕎麦が何回食べられるかな……なんて、つい計算してしまいました。

自分でやってよかった。でも、無理しなくていい場合も

正直に言うと、「2〜3万円浮いた」こと以上に、自分の家のことを自分の手で片づけられたという小さな満足感が大きかったです。コワモテのおじさまに細かく直されながらも、ひとつずつほどいていけば、ちゃんと終わる。50代のおひとりさまにとって、こういう「自分でできた」の積み重ねは、地味だけど確かな自信になります。

ただ、これは私のケースがシンプルだったからというのも大きいです。次のような場合は手続きが一気に複雑になるそうなので、無理せず司法書士さんに頼るのも賢い選択だと思います。

  • 完済から長い年月が経っていて、書類を紛失している
  • 借りていた銀行が合併・名前変更している
  • 登記簿の住所・氏名と、今の住所・氏名が違う(引っ越し・結婚などで変わった)
  • 相続が絡んでいる

私のように「完済したばかりで、書類がそろっていて、引っ越しもしていない」なら、自分でやる難易度はぐっと下がります。

※手続きの細かい点は、金融機関や管轄の法務局によって異なることがあります。実際に進めるときは、必ずお住まいの地域の法務局・もらった書類に沿ってご確認くださいね。この記事はあくまで私の一例です。

完済して、抵当権も消えて。ようやく、この家が本当の意味で「私だけのもの」になった気がしています。

同じように「司法書士さんに頼むべき?」と迷っている方の、背中をちょっと押せたらうれしいです。印鑑は2個、お忘れなく。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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