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おひとりさま検査技師の、言えない本音
― 50代一人暮らし、仕事も人生も愚痴らせて ―
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2026年5月

旅行

信州そば食べ比べ|松本こばやし×上田刀屋を日帰りで【おひとりさまの贅沢なそば旅】

おひとりさまになってから、お金の使い方がずいぶん変わりました。服も、外食も、つき合いも、けっこう削ってきた。でも「これだけは削らない」と決めているものがあって——それが、美味しい一杯のために、わざわざ行く時間です。

行き先で何かを「買う」わけじゃない。ただ、食べたいそばのために半日かけて出かける。それが私にとっての、いちばん贅沢な時間の使い方だなと思っています。

今日はその記録の第1弾。信州まで足をのばして、性格が正反対な二軒のそば屋さんを日帰りで食べ比べてきました。上品な松本「こばやし本店」と、田舎そばの上田「刀屋(かたなや)」。さて、おひとりさまの私にしっくりきたのは——最後まで読んでもらえたら嬉しいです。

まずは松本・四柱神社の境内へ「こばやし本店」

最初の一軒は、松本駅から歩いて15分ほど。松本城のすぐ近く、四柱神社(よはしらじんじゃ)の境内にある「こばやし本店」です。明治末期創業の老舗手打ちそば処。のれんをくぐる前から、もう空気が"ちゃんとした店"でした。

松本・こばやし本店ののれん

頼んだのは天ざる、2400円。出てきた瞬間「おお、上品」と声が出そうになりました。二八そばは細めで、香りがすっと立って、のど越しがいい。きれいなそばです。育ちがいい、というか。

こばやし本店の天ざる

そして天ぷら。なかに安納芋が入っていて、これが甘くて当たりでした。揚げ物でこんなに「お、いいもの使ってるな」と思えるの、地味に幸せです。

お値段は、正直ちょっと観光地価格かな…とは思いました。松本城のすぐ横、観光のど真ん中ですしね。でも、場所代も雰囲気のうち。神社の境内でいただく上品なそばと思えば、これはこれで「あり」だなと、ひとりで納得しながら食べていました。

お次は上田へ。池波正太郎が愛した「刀屋」

そこから移動して、二軒目は上田の「刀屋」へ。松本と上田は車でだいたい50分の距離です。電車だと乗り継ぎがちょっと手間なので、おひとりさま旅なら車かバスのほうが気楽。上田〜松本を結ぶバスも1日2往復あるので、運転しない日はこれが便利でした。

上田・刀屋の外観

※外観写真はお店からお借りしました。

ここ、実はちょっとした"聖地"なんです。『真田太平記』『鬼平犯科帳』で知られる作家・池波正太郎が、上田に通っていた頃に贔屓にしていたお店。グルメエッセイのなかでもこの店のことを書いていて、ファンにとっては憧れの場所なのだそう。創業は1961年(昭和36年)の老舗です。

そして刀屋といえば、とにかく。「並でも東京の三人前」なんて言われるほどで、知らずに大盛りを頼むと大変なことになるらしい。店員さんがちゃんと「並でも結構な量ですよ」と教えてくれる、というのも有名な話なんだとか。

席が狭いので、この日は相席に。私が頼んだのは天ぷらそば950円です。お隣になった方が頼んでいたざるそば(普)(850円)がまた美味しそうで、つい「写真撮らせてください」とお願いしてしまいました。快く応じてくださって、自分の天ぷらそばと一緒にパチリ。こういうちょっとした触れ合いがあるのも、ひとり旅のいいところだなと思います。

上田・刀屋のそば

きました、田舎そば。太くて、コシが強くて、噛むほどに香る。こばやしの上品な細麺とは、もう別の食べ物といっていいくらい性格が違う。歯応えで「食べた!」という満足感がしっかり残るタイプです。良心的な価格なのに、このボリューム。ありがたい。

ひとつだけ、おひとりさま的に正直に書いておくと——お店全体がとにかくキビキビ・テンポ重視で、私のように静かにのんびり食べたいタイプには、ちょっと気後れする空気感ではありました。人気店ゆえに回転も大事ですしね。これはお店が悪いんじゃなくて、混む店×ひとり客の、相性の問題。次は空いてる時間を狙えば、もっとゆっくり味わえるんだろうなと思っています。ただどちらも人気店。並ぶのは必須です。

食べ比べてみて——表にするとこんな感じ

性格の違う2軒、ざっくり並べるとこうなりました。

松本・こばやし本店 上田・刀屋
場所 四柱神社の境内(松本城そば) 上田の市街地
食べたもの 天ざる 2400円 天ぷらそば 950円
そばの個性 細めの二八そば。香り高く上品 太めの田舎そば。コシと歯応え
天ぷら 安納芋が当たり◎ 野菜中心でボリューム
雰囲気 きちんと、しっとり、観光地 活気あり、テンポ早め、聖地感
おひとりさま度 ◎ 静かに味わえる △ 混雑時はちょっと気後れ
お財布 やや観光地価格 良心的でコスパ高い

で、私はどっちが好き?

きれいなそばはこばやし。でも——私には、刀屋のほうが合ってました。

上品さよりも、噛んで「うまい!」と唸れるあの田舎そばの強さ。なんだろう、飾らない感じが、今の自分の気分にしっくりきたんですよね。お腹も心も「満ちた」という手応えがありました。

検査技師という仕事柄、ふだんは塩分だの何だのと言いがちな立場なんですけど(笑)、こういう日くらいはいいんです。「健康のために」より「今、美味しいものを食べに行きたいから行く」。年齢を重ねるほど、その"今"のほうが大事だなと思うようになりました。半日かけて、ひとりで、好きなそばを食べに行く。これが私の贅沢です。

次はどこのそばを食べに行こうかな。連載「贅沢なそば旅」、ぼちぼち続けていきます。

店舗情報・アクセス

こばやし本店(松本)

  • 住所:長野県松本市大手3-3-20(四柱神社 参集殿内)
  • 営業時間:11:00〜19:00(そばがなくなり次第終了)
  • 定休日:木曜日
  • アクセス:JR松本駅から徒歩約15分(松本城すぐ近く)

刀屋(かたなや/上田)

  • 住所:長野県上田市中央2-13-23
  • 電話:0268-22-2948
  • 創業:1961年(昭和36年)
  • アクセス:上田駅から徒歩約15分。行列ができるので時間に余裕を持って

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